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サウンドアンドステージブログへようこそ
一級舞台機構調整技能士(音響機構調整)の管理人(新田康久)が舞台音響技術やその周辺の話題を取り上げます。
管理人の性格上しばしば脱線するかも知れませんが・・
なお、つっこみ、茶々大歓迎ですよ・・
まぁ、お互い直接会ったときに気まずくならない程度にね!

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舞台音響・PA・SRとライブでの周辺技術

一級舞台機構調整技能士でもある管理人が、舞台音響(PA,SR,Recording)などに関わる話題と技法に迫ってみたりする。

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さてさて、ヘッドホン・・
これはちょっと鬼門かな?こだわる人多いし・・

基本的に、モバイル用途でのカナルタイプのイヤホンも含め考えたい。

まず、万能の機材はない!と言う前提を取る。これって・・納得できますよね?いくら音が良くても大音量でのライブ会場でオープンエアーは使えない・・少なくとも同時には・・

ということで、基本的にオープンエアータイプ、密閉タイプ、インイヤー(カナル)タイプに構造上の分け方が一つ。
次に、観賞用、モニタ用に分ける。モニタ用もレコーディング用、SR用、楽器用に分けたい。

で、観賞用・・これは自宅と移動中とを限らず、ご自由に・・としか言えない・・人様の好みにいちゃもん付けても良いことは一つもないからねぇ・・^^;;

で、モニタ用とした場合、注意して欲しいこと・・

音が良い!・・とすぐに感じるヘッドホンでは駄目・・ちょっとニュアンスを伝えるのが難しいんだけど・・
モニターの目的は、問題点を探しだし、少なくとも80点を取れる音にすること・・である・・
が、音が良いとそこで満足してしまいがち・・余り良くない音でも「お!いいじゃん!」となったらそれはもうモニターではないわけで・・観賞に使ってねと言うことなのよね・・

それと、中域の分解能が悪いとこまる。とにかく何を差し置いても中域の分解能が高いこと・・これは人の声の帯域が弁別できないといけないから・・
これがモニターに最低求められることではないかな・・
あと、大きなブーストやカットされた帯域がないこと・・
低域がブーストされていると気持ち良いし、高域が強調されていると気持ち良いのだが、他のシステムで聞くとしょぼくしてしまう・・要注意。

つまり、自分で聞くと気持ち良いということはモニターとして使うときはまずい場合が往々にしてある・・ということだね・・

特にアメリカンポップス系のバランスの取り方の場合、NS-10が録音スタジオの現場で好まれるように、中域のしっかりとでるヘッドホンが良いだろう。

これがヨーロッパ系の音作りとなると微妙に違っていて、モニターもある程度以上帯域が広くないとあの雰囲気がでない・・

変な実験なんだけど、SIMやSMAARTで普通に合わせ込んだ音でアメリカンスタンダードっぽい物を再生するとそのまま使えそうな音に納まっている・・が、英国もの(マイクオールドフィールドとかケイトブッシュとか・・)を掛けると・・つまらないんだよね・・ゼップでさえなんか抜けきらない音になる・・で、一ひねりか二ひねり、チューニングをいじらないといけない・・

これがNS-10系の音でバランスをとっているか否かで違っているような気がしてならない・・おっと、これは完全に検証しているものではないので単に素朴な感想ね・・

カナルタイプは管理人の場合、耳の穴が小さいこと、すぐに皮膚が荒れることからイヤホンも嫌いで付けないほど・・だから基本的には使いたくない・・
また、周囲から遮断された音環境が非常に嫌いなので今までポータブルオーディオを使ったことは殆どない・・そう・・ウォークマン時代から・・

が、友人が何かの懸賞であたったとかでiPodの20Gをもらった・・

まぁ、各種セミナーの音声を入れて聞いてはいるけど・・これまたスピーカーで聴きたいのは・・まぁ個人的な話ではある・・

で、長いこと耳に納まりの良いイヤホンがなかったんだけど、ERの3段フラップはちゃんと入る事を発見!途中で抜けたりもしない・・けど、疲れる・・のは変わりなし・・
よって管理人にはカナルタイプを評価する資格はないと思う・・各自の評価でどうぞ・・

そうそう、そうは言っても音量だけは気をつけて欲しい。
突発的な大音量に対する逃げの余地が無いので耳を痛めやすい。
また、自分が気持ち良いと感じる3割方低い音量に納めて欲しいな・・

某有名な女性歌手が何ヶ月か活動を停止したのもインイヤーモニターシステムを大音量で聞きすぎて難聴になったのが原因。

解放音圧換算で90dbを超える音を聞き続けると難聴要因がぐんと高くなる。たぶん迫力があると感じるくらいの音なら100db換算くらいは行くはず。ヘビメタ系のバンドだとライブ会場でさえ110-130db近く上げている・・あんな音を聞いていると短時間で難聴になるからね・・
あの音圧をヘッドホンで再現しようとは決して思わないこと・・

それと、いくらヘッドホンをしていても、社会との接続を完全には断たないことが健全な社会生活を送る上で大事だと思う。
若干なりと周囲の音が聞こえる程度には押さえて欲しい・・でないと隣で心臓発作でご老人が倒れても、知らんぷり・・という人非人になってしまうよ・・

ヘッドホンにうるさい人が多いのは、日本の家屋事情によると思うんだけど・・これも寂しい話だよね・・
世界第2位の経済大国と言われていても、個人の生活レベルは未だ非常に低いレベルのままのような気がする・・そして、蓄積されていない・・社会常識として経済力にふさわしい行動様式が育っていないのではないかな・・

さて、管理人は10年くらい前のゼンハイザーのオープンを録音もののチェックに使っている。
非常に分解能が高く、その割に聞き疲れしないし、広帯域なので、長丁場のライブレコーディングの編集とかでは大変に助かる。
また、再生環境をいろいろ変えても概ねイメージ通りの再生をしてくれると言う点も重宝している。

ライブ環境でのモニターは密閉型に限ると言うのは前述の通り。

これにはアシダボックスのものを使用。これは知らない人も多いかな?放送業界では古くから知られていたメーカー。今は同じく放送業界のヘッドホンメーカーに吸収されたのかな?

以前はハンズで入手できたが先日チェックしたときはもう置いてなかった・・外見は非常に古くさい・・安物のビニールレザー張りのダサめのデザインだから、おしゃれな人は嫌うかも・・
お~・・それでもその安物のビニールレザー・・なんと!5色も用意されているぞ!以下にもペンキ臭い発色でビビットなことこの上ない!

が、今はなきNiftyServe上のレコーディングフォーラムでNS-10的なチェックの出来る唯一のヘッドホンとしてエンジニアの間で評判になったものなのだ・・

で、つきあいのある某輸入代理店から直接入手した。(お!色は黒ね)

まぁ、ちょっと古い設計なのは否めない・・HiFiかと言われると悪くはないとしか言えない・・密閉型と言っても圧抜きの小さな穴が開いていて微妙に音が入ってくる・・など、完璧とは言わないが、確かにライブ会場でも音はチェックしやすい。中域の分解能はなかなかと思う。音が前にでてくる感じなのでバランスチェックも収まりが良い。
で、ビニールの耳当てなので汗をかく・・長く掛けていると圧が高いので頭が痛くなる・・音質もチェックは出来るが聞き疲れする・・
でも、モニター用としては間違いなく信頼できる逸品であると思う。管理人の場合ライブ現場には欠かせない・・

これからSonyの定番700シリーズなどに掛け替えると低音が無用にだぶついて聞こえる・・おっと、700も900も良いヘッドホンだよ・・個人的にはちょっと苦手だけど・・これは管理人の問題。

そうそう、ヘッドホンのインピーダンス・・このところ結構高いものが多いねぇ・・
組み合わせるアンプには注意が必要かも・・
8オームタイプなら通常のモニター用アンプを使うと言うのも手かな・・もっとの電源の投入ショックなどで飛ばす可能性があるので、かなり安定してから切替ないと危ないけど・・
インピーダンスの高いタイプのものはヘッドホン専用の良いアンプが欲しいみたい。

管理人のところには大昔のBehringerのA級動作アンプ時代のものが残っているのでこれが結構重宝。Behringerのヘッドホン回路、途中で非常に音が悪くなったけれど最近のものはまたちょっとましになったかな?

観賞用なら昔のオーディオアンプを流用した方が音が良い。
でも、現場にはもってけないね・・

だから、いつも使うシステムできっちりチェックできる音かどうかしかないと思う。
卓に直結して現場でちゃんとチェックできるかどうか・・で評価するのが仕事人としては正しい評価法だと思うな・・

まぁ、ここの製品の評価はあくまで個人のものだと思う。
で、それによる成果物(ライブでの出音なり、製品としてのCDなり)こそが評価されるものなので、そのためのツールとして何を使うかで最終成果物が変ってはいけないわけで、そこらへん、仕事人なら程々に・・と言うところかな?
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雑談 / 2007/05/19 10:29
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現場に持ち込むシステムから外れる物として何を持って行くかなと言うと、ケーブルチェッカ、フェイズチェッカ、テスター、チューナーなどかな・・SMAARTはシステムに組み込むことが多いので小物からは外そう・・
とはいっても、簡単なコンデンサーマイクを付けたモバイルパソコンにSMAARTを組み込んだ物を片手に持ってハウスの回り込みをチェックしたりするのは結構便利だね・・

さて、ケーブルチェッカ、以前はSCAの物しか無くて結構高価だったが今はオシレータ組み込みでBehringerから安価に出ている。
フェイズチェッカ・・これは批判的な人もいるし、メーカーによってはワザとHigh.Lowの位相を変えて全体のカラーとしている場合もあってなかなかに難しいが、マイクの位相を揃えたりと言う目的には確かに重宝する。
もっとも、安価なライブミキサーでフェイズスイッチがついていない場合や、太古品のミキサーで同じくついていない様な物で仕事をしなくてはいけないときは位相反転アダプターを持って行かなくてはいけない。

テスターは家庭用のあまりにも安価な物ではグランドあわせに使えないのでパス。
交流電圧測定モードでプローブの片方を手に持って測定できるくらいのが使いやすい。

チューナーは本来ミュージシャンの領域であるがローズなどのコンディションが悪いときはよくチューニングし直してあげいている。
また、オクターブを合わせられないギタリストなどがたまにいるし・・アマチュアでは特にだな・・んで、耳で合わせても信用してくれないのでチューナーを使って目に見せてあげる・・チューナーなんかあてにならないと私は思うのだが・・
平均率と自然音階の突き合わせを知らないようならそもそもチューニングは合わせられない・・

さて、ドライバーなどの工具類であるが、ニッパー、ラジペン、プライヤー、カッターなどは当然必需品。
ストリッパーは善し悪しかな・・
ドライバーであるが、筆者はKTCのミラーツールが好きで使っている。
もちろん絶縁ドライバーではないので通電物には使えないが、そのビットの精度は極めて高いし、木柄の感触も大変に気持ち良い。
スナップオンのドライバーはインチビスには有効。ミリビス(ISOビス)にはビットの規格が違うのでねじ頭をなめる・・
これはバイクや車のカスタマイズをしている連中の間では常識。
とはいってもラチェットなどの作りは絶品だね・・

通常のカッターのほかに電工ナイフと呼ばれる刀状のナイフを持っていると電源ケーブルの被服を剥くときなどは速い・もっとも電気工事のトレーニングをした人の間の話だけれど・・

卓上に入力名称を書き込むのにドラフティングテープ(昔の製図用テープか、塗装で使うマスキングテープ)を使うと剥がしやすいし書き込みやすい。以前布ガムテを使っていたらプレートが剥がれてしまったことが・・
幅広い物も売っているので、自分のミキサーに合わせましょう・・

そうそう、チャンネル名称はフェーダー部に書き込む物と卓裏のコネクター部に書き込む物と2種類作るといい。
というもワイヤリングを他に人に頼むときにミスが減るし、トラブル時の確認にも良い。
なお言うならマルチボックスにも貼っておくと問題解決がスムーズ。
誰でもいつでも理解できる・・というのが複雑な現場になればなるほど大事。自分は知っているとか、自分なら分かる・・というのは無しね・・他人に理解してもらわないと仕事は進まないから・・

カラービニテも各種用意しておくとマイクやスタンドのカラーマーカーとして使える。
カメラが入っていると簡単ではないけれど、そうでなければ遠方からの識別に便利。

57のウィンドスクリーンも同じ理由でウレタンのカラースクリーンにしていた・・
雑談 / 2007/05/14 22:39
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ダイオキシンの問題もあって最近はあまり使用されなくなってきた・・
が、Fケーブルを始め、まだまだ沢山残っている。
我々のよく使うL-4E6Sも塩ビシースのものが多い。

この塩ビ・・絶縁性など化学的な特性と実用性は実に高い。
また、カッターなどでの加工性も良いのでケーブル外皮としては長い歴史を持つ。

が、先のダイオキシン問題・・これは塩ビだけではなく、塩化物全般に言えることだけれど・・で、塩化化合物はすごく減ってきた・・

で、もう一つの欠点・・耐水性がない・・
特にマイクケーブルに使っている塩化ビニールは多孔性のもので水が浸透する。
電気火災の多くの原因の一つが、塩化ビニールのFケーブルによるもの・・
これはネズミのおしっこが浸透することが原因なのだ・・
ご存知のようにおしっこは塩分を含有するため、絶縁破壊を起こしてしまう・・よって火災になる・・

で、この耐水性が屋外配線や野外コンサートで問題になることがあるのよね・・
カナレさんでも屋外常設用には電子架橋ポリエチレンシースのものを推奨しているはず。

さて、電流が流せるからとFケーブルなどで分電盤を作っている人も見かけるが、以上のような理由からきちんとゴムキャプタイヤケーブルで電源回りは揃えましょうね・・
雑談 / 2007/05/10 10:28
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舞台の仕事をしていると必需品がいくつかある。
布ガムテ、カッター、ビニテ、革手袋など・・
まぁ、工具類は当然必要なのだが、今回はその中でも布ガムテをちょっと考えてみる。

日本国内で一般に流通している布ガムテは、非常に接着力が強い。試しに海外からのエンジニアに試してもらうとその接着力に驚かれることが多い。
おっと、マニアックにテープ類に詳しい人もこだわる人も多いが、管理人は時間入手性を大事にするので銘柄にこだわったことは無い・・もちろん、いろいろな考え方の人がいるのでこだわることを否定するようなことはしない。

さて、今ではマジックテープで止めることが多いが、以前バトン吊りのスピーカーのためのケーブルの固定に布ガムテを使っていた。

バトンなので色は黒・・で、気を使って黒のカラーガムテを使っていた・・ケーブルがグレーなのであまり意味がないと言う意見は置いといて・・^^;;

カナレのスピーカーケーブルは塩ビシース(絶縁外皮のこと)である。

で、カラーガムテは大概白い粘着剤を用いている。

一日だけで撤去できる現場はあまり問題ない・・
が、2日以上設置したままの場合、どうも塩ビシースから粘着剤に分子遷移が発生するらしく、どろどろに粘着剤が融けてケーブルに残ってしまう・・これは後処理が大変なんだ・・

もちろん、布ガムを使ってぺたぺた取ればもちろん取れるんだけれど・・時間も無駄だよなぁ・・と

裏が赤っぽい古くからのガムテは2-3日では全くそんなことはおきないので、カラーガムテの白い粘着剤は要注意!と言うことですね・・

布ガムテはその接着力の強さゆえ、舞台の床に貼ることを禁止しているところも多い・・

特に床材として、桧や杉といった軟質材を使っている場合は、間違いなく床の木材の繊維まではぎ取ってしまうので、大変に嫌われる・・

もちろん、厳しく叱責され、また場合によっては損害賠償にまで至ることがあるので、くれぐれも小屋の舞台さんとそこらのコミュニケーションと打合せはしっかりね!

さて、うちの小屋はと言うと・・床材は楢のフローリング・・5寸釘を打ってもあまり目立たないので、お好きにどうぞ!っとやっている。

紙のクラフトテープと呼ばれる奴は駄目!これは、紙素材ごと残るから厄介きわまりない・・
くれぐれも舞台に持ち込まないで欲しいと思うものの筆頭の一つ。

さて、先に記したバトン吊りスピーカーのケーブルであるが、今はマジックテープ(フリーサイズのものを適宜切断して使用)で固定している。撤去も楽だし作業時間も短縮した。
うちの小屋では100m巻きのものをトモカさんから入手しているが、100均でも安価に入手できるようになったね・・
雑談 / 2007/05/10 10:02
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あまり経験がない方で、時々見かけるのだが、電源ドラムでパワーアンプ電源を供給しているにも関わらず、その電源ドラムを巻きっぱなしにしている人を見かける・・
ついつい余計なことをと思いつつ、伸ばすよう進言しているのだが、そもそもアドバイスと言っても知らない人から言われるといやなものだろうなぁ・・

でだ・・電源ドラム、パワーアンプも含めある程度の消費電流のものに使用するなら必ず全部引きだして使用して欲しい。
電源ケーブルは巻いた状態では流せる電流は減るのだ・・
よって、大型のミキサーでも危ない・・

管理人は若かりしころ、電源ドラムの扱いを人任せにして、パワーアンプ電源を巻いたままの電源ドラムでリハを始めてしまい、異臭に大騒ぎしたことがある。融けるのよ・・マジに・・

劇場演出空間技術指針によって演出空間仮説電気設備指針が正式に制定された。
これでも再三にわたって述べられているが、長いケーブル、巻いたケーブルは同じ太さであっても流せる電流量が減る・・そしてそれは発熱として現れる。
単純に長いケーブルと巻いたケーブルではどちらが危険かは言うまでもなく明瞭!

くれぐれもドラムは巻きをほどいて使ってね・・
おっと、マイダスなどの電気を食うミキサーもドラムだと目一杯の電気を食う可能性があるので、注意!

特にアマチュアで頼まれ仕事を引き受けているようなケースも結構多いものと思うけれど、事故の重さは一緒ですよ・・
セッティング / 2007/05/09 11:42
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最終的な音の鮮度を維持する上でかぶりの問題はいつもオペレータを悩ませる。
単純なマルチ素材を再生するのと違い、ライブ空間では常に複数の楽器音が錯綜している状態だからねぇ・・

まぁマルチ素材でも各楽器の帯域をぶつけるようなアレンジングと、ミキシングをするともちろん音はどんどん濁ってくる。
まぁ、この場合はアレンジを替えるか、定位、イコライジング、主従を見極めてのミキシングで回避していくのだけど、ライブ空間ではこれにかぶりの問題が加わるのだな・・。

かぶりとはなんぞや?っと言われると単純には目的とする楽器以外の音がそのマイクに入ること・・である。
つまり、他の楽器音が目的の楽器音にかぶる・・という使い方。

特にタムなどでは顕著。これは楽器同士が近接していることによる。
またピアノなどの弱音楽器(クラシックの世界では強大な音のはずなのだけれど・・)にドラムなどの音がよくかぶってくる・・

で、何が問題なの?と言う方に・・

まず、マルチ録音では、目的外の音が入っているとある楽器のベストテイクが録れた!・・が他の楽器がミスった・・と言うときに他の楽器だけを取り直しても、ベストの楽器にミステイクの音がわずかながら残ってしまう・・^^;;・・という非常にべたなパターン。
これは非常に細かくテイクを切り貼りするマルチ録音では特に重要。

ライブならまさかやり直しは無いんじゃないの?と言う方・・確かにその通り。
が、ある楽器1に楽器2の音がかぶっていたとしよう。
楽器2を上げ下げしているだけならあまり気が付かないが、楽器1を上げ下げしているときに、かぶりのため楽器に2の音量や音質まで変化してしまう・・と言う事態が発生する。
普通、楽器1に楽器2がかぶるわけだから楽器1がより弱音楽器と考えられる。
で、楽器1のマイクのゲインが上がるわけだ・・ごれで楽器2のかぶる率が上がる。

で、楽器2は音量がでかい楽器なのでたいした問題はないと高をくくっていると楽器1のフェーダーの上げ下げで妙に楽器2の音質が変ったり、音量自体が変化してしまうのね・・
顕著な場合は楽器1のマイクとしてはぜんぜんハウらないのに、楽器2の演奏でハウる・・と言うこともおきる・・
ドラムを叩くと妙にハウるので、ドラムのフェーダーをいじった・・でも全然止らない・・焦って調べてピアノのフェーダーをいじったら直った・・などと言うパターンだ・・

故にかぶりの問題はいつもオペレータ泣かせになる。
もちろん、出音自体の品位を大きく下げかねない・・

さて、このかぶりと言うものの性質をもう少し掘り下げる。

かぶりは本体の主目的の楽器ではない楽器音がマイクにはいること!・・である。
ということは主目的の楽器よりかぶりの元楽器は通常は離れている。
離れていると言うことは空間損失で高域成分が若干なりとも減少している。
また、時間遅れを伴っている。(距離が離れているから当然か・・)
楽器に対して収音マイクが正対していないので(まぁ、かぶりの楽器にマイクを向けているわけが無い!)、正面特性と違ういびつな特性に成りやすい・・よって、音色がおかしい・・と言う状況が発生する。

さて、こういうかぶりの音がそのかぶった元楽器のマイクとミックスされるとどうなるか・・

まぁ分かりやすくドラムの音がピアノにかぶっているとして、ピアノのマイクで収オンされてしまったドラムの音と、本来のドラムの音がミックスされる・・と言うような状況と考えて欲しい。(もちろん他にもいくつも例はあるが・・)

ピアノのマイクにかぶったドラムの音は本来のドラムマイクよりその距離分遅れている。これは位相時間差特性を大幅にずらしたミックスになり、コームフィルターを生じさせる。よってじゅるじゅるしたフェイジングっぽい音を生じさせる。
また、マイクが正対していないので、そのサイド特性によって音色が変化し、かつピアノの筐体の共振モードに影響された不自然なイコライジングをされた音としてミックスされるため、ドラム自体の音色を変化させる。

その結果として、ピアノのフェーダーを上げ下げするとドラムの音量や音色も変化する・・

そして出音が全体にすっきりしないものとなる。

この状態の時に本線系のEQなんかいじったらドツボにはまるよねぇ・・

さて、このかぶりをどうしてけつかろうか!

ここで師匠直伝のノウハウを一つ・・

Soloスイッチを使い、かぶりの音だけを聞いてしまう・・と言うチェック法がある。

例えば前出の例ではピアノを弾いていないときにドラムの音がどれくらいピアノのマイクにかぶってくるかをSoloチェックする。
まぁSoloがPostEQでなければちょっと困るんだけど、この状態でかぶりが最小になるようにEQで調整する。
取りあえずピアノに極端な悪影響がない程度にね・・
師匠いわく、EQなんてのはその楽器に適正なマイクをアレンジしてあればかぶり取りにこそ役立つものだ!とのこと・・ぜひお試しあれ・・

さて、EQを調整しても時間差の問題は残っている・・

これは以前に管理人が記述したディレイを駆使した方法を用いるとかなり解消できる。

つまり、ピアノにかぶっているドラムの音が遅れているなら、ドラム自体の音をディレイを掛けて合わせ込む・・と言う奴だ・・

これでドラムとピアノマイクでのドラムかぶりが時間差がなくなるので位相ズレの問題は解消できる・・

残るのは音量の変化だけだな・・

これはマイクアレンジ自体を工夫する・・オフマイク特性の良いマイクを使う・・などで対処する事になるのかな・・完全には難しいと思うので、オペレートで工夫するしかないね・・まぁこれこそが我々の仕事なんだけど・・

さて、かぶりは本質的には望むと望まざるとに関わらず、複数の楽器音がマイクに入ってしまうことの問題だといえるよね・・
なら対極としてはワンポイントでの拡声(収音)・・というものもある。

かぶりが問題になるのはマルチ収音で、目的の楽器だけがそのマイクにはいっているはずだ、っと言う大いなる幻想ゆえに発生するものだとするなら・・ワンポイント収音ないしは拡声は、だったら全部をかぶりで録ってしまえ!というものと言える・・^^;;

まぁ・・どの楽器とも平等に離れているよ・・という収音方法で、だから位相の問題も時間ズレの問題も関係ないでしょ!・・と言うわけだ。
最初から特定の楽器の音量を操作しようという意図も無いわけなんで・・

拡声ではあまりピンと来ないかも知れないけれど、芝居径のオペレータならPCCなどで日常的に経験している手法。さすがにバンド系ではあり得ないかも知れないけどね・・
んで、クラシック系、民族音楽系ではこれまたよく使用される。

経験がないと、「え~それでハウらないの?」と思われるだろうが、結構ゲインは稼げるのよ・・もちろんスピーカーの設置、マイクの設置には気を使うけれどね・・
少なくとも会場の後までせりふを通そう・・とか、ソロ楽器を最後列のリスナーも楽しめるようにしよう・・くらいは結構いける。また、そういう使い方を目指すべきだと思うしね・・がんがんオンで・・というのはこの場合はやらないからさ・・

かぶり一つでももっともっと考えることはあると思うけど・・概して経験の深いオペレータはここの処理がうまいし速い。
これの処理がうまいとあとは音量バランスをとるだけで結構聞ける音になるからね・・あとは音楽に合わせEQやリバーブを調整するだけだし・・
セッティング / 2007/05/03 09:50
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現場で仕事をし、またそのプランを考える際に結構頭を悩ませるのがマイクプラン。
もちろん仕事の評価にも直結し、いろいろなストレスをもたらしたり軽減したりする。

基本的にはレコーディング現場なのか、SR現場なのかでも選定基準は大幅に変る。

まぁSRでオーバーヘッド、ハット、ピアノには451だとか、タムには421だとかという定番マイクは確かに存在する。
これは少なくともミュージシャンやクライアントからの苦情は出にくい。

また、諸先輩が多くの苦労と実践を重ねた結果としての定番なので、文句無くいつも聞いている音を作りやすい。

多くの事例の中でも面白いと思った事例に一つに、全てのマイクを57で統一・・と言うものがあった。

これは、長いツアーの間中、タフに稼動してくれること、そしてそれでもトラブった場合でもいくらでも現地から借り出せること、音の癖、使い勝手が十二分に知れ渡っていてどの楽器でもそれなり以上に対応できること、と基準としたとあった。
これはこれで現場の安定度を重視した素晴らしいプランである。

でも・・金物ではコンデンサーがあると楽だな・・とは思うよね・・
近年開発された安価で高性能なマイクは結構、コンデンサーに匹敵するほど広域の伸びたものもある・・けど、ダイナミックらしさもちょっと薄くなるなぁ・・

さて、管理人が経験のないマイクを使わなければいけないとしたらどのように判断するか・・

求める楽器の波面の半径を考える。
大型の楽器はその共振面の大きさから発生する音の波の波面が大きな半径を作っている・・ないしは平面波に近いと考えるのだ・・
これをある程度以上のオンマイクでとらえようとすると、波面と振動版の相対角度が一致すること、そのエネルギーを充分に受け止める振動版の大きさを持っていること・・で判断する。
小型の楽器あるいは弦楽器のようなものは大型振動版では振動板径の中で逆相部が出来やすい・・と言える。よってこの場合は振動板径が小さめの方が対処しやすい。

そして振動板の動きやすさは、コンデンサーの方がヴォイスコイルを持たない分有利・・よって楽器自体のエネルギー総量の大きくないものにより適合する・・

などとまぁ細かく言い出すときりがないのだけれど、要は楽器の大きさと性質から音の出方をイメージするわけだ・・
それを充分に拾うにはどういうマイクが似合うかを考える。

もちろん、最終的には耳で判断するのは言うまでも無いんだけど、どうも合わない・・と感じたときにそういうイメージ力を持っているかどうかで大きく違ってくると思う。

さて、ついでにもう一つ。
タムによく421が使われる理由。
正面特性はもちろんのこと、サイドからの音に対しても57に比べ色付けが少ない・・これは隣からのかぶりに対処するときに非常に助かる。
つまり、かぶりの音が使い物に成らないので、とにかくカットしなくては・・と神経質にならなくとも良い・・という、メリット。

だから、普段マイクのチェックをするときにサイドからの音もチェックする癖をつけましょう。
音響プラン / 2007/05/02 17:08
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どうも、総論系の話が好きなのかなぁ・・わし・・

さて、オペレートしていて非常につらいのが、ピークメーターは振るが音の来ない楽器や声・・

つまり、発生エネルギー総量は大きいのに聴感上の有効な楽音になってない・・という場合ね・・
典型的な遠鳴りのしない音でもある。

概して名人級の演奏家になるとチューニングのためポン!と音出しをしただけで周りの人間が皆そちらを振り向くようなすごい音を(音量が大きいという意味ではない・・心引きつけられる音と言うこと)出す方がいる。

こういう方を録音したり拡声したりすると、メーターの振れが穏やかで、聴感とメーターに差異が少ない・・
つまり、無駄なエネルギーは全然出していないわけだ・・
我々はこの状態をマイク乗りがよいと言う。

例えばオーバーヘッド一本で全部録れてしまうドラマーとか・・

コンデンサーだろうがダイナミックだろうが、こういう方は見事に音を乗せてくる。

逆にマイク乗りの悪い演奏家の場合、近くではうるさく、そして遠くでは聞こえない・・
またがんがんピークを打つのにミックスすると埋もれてしまう・・音量感もない・・と言う現象になる。

まぁ、だからといって泣き言をミュージシャンに言うわけにはいかないので、ワザとトランジェントの悪目のマイクや、コンプなどを駆使して普通に聞こえるように納めていくんだけどね・・

さて、このメートー読みと聴感音量を如何に近づけていくか・・と言うあたりに、収まりの良いミックスのための秘訣がいくつも隠れている。

各楽器とその演奏家によってピーク成分の出方がまったく違う。
このピークを馬鹿正直に再生すればよいというものではない。
アンプもスピーカーも飛ばしやすいし、そのピークのためにほかの楽器まで歪んでしまうことだってある。
よってこのピークを如何に処理するか・・それが聴感上自然で、しかも収まりをよくするためにはどうするか・・ここにマイクアレンジやヘッドアンプの選定、コンプの選定の大事さが出てくる。

ちなみに言うと人間の耳に聞こえないピークは一切が無駄である!と割り切ると資源の節約になる。
アンプもスピーカーもミキサーもすべてが聞こえている成分に対応できればいいからね・・
ところが聞こえないピークにまで追従しなければならないとなるとエネルギーを無駄に消費し、かつ膨大な機材を準備しなければならない・・
そして、往々にしてそのピークは楽音でない部分で出ることが多い・・ピックをこする音とか・・これは演奏者からすると一番聞かせたくない部分の一つ・・へたくそに聞こえるからね・・
でも、オーディオ系のエンジニアは往々にしてこれを強調してHiFiだ!となりがち・・
気をつけたい部分だな・・

とまぁ、メーターを観察していても結構いろいろな情報が得られるので、是非注目して欲しい・・(こればかり見ていて舞台を見ないようでは本末転倒だけれど・・)
音響総論 / 2007/05/01 11:25
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