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サウンドアンドステージブログへようこそ
一級舞台機構調整技能士(音響機構調整)の管理人(新田康久)が舞台音響技術やその周辺の話題を取り上げます。
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舞台音響・PA・SRとライブでの周辺技術

一級舞台機構調整技能士でもある管理人が、舞台音響(PA,SR,Recording)などに関わる話題と技法に迫ってみたりする。

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さて、定位絡みで錯覚の話を降ったので、ついでに今一つ考えてみたい。
ステレオ再生が錯覚の賜で、物理測定するとあくまでそのスピーカーの音源方向しか測定しないだろうことはすでに記した。
が、一部読者には「ふっふっふっ・・リサジューがあるぞ・・馬鹿め・・」と考えた方もいらっしゃるかも知れない・・

おっと!リサジューを知らない方のために・・まぁ一部メーカーでステレオスコープなどと称して専用化されたツールもあるのだが、2現象オシロスコープで、X,Yにステレオのそれぞれの信号を入れて観察したもののことである。

モノーラル正相では普通は左斜めの一直線に。多分左をY軸、右をX軸にしたとすると、Lだけなら縦一本の線が、Rだけなら横一本の線が表示され、楽音を入れるともじゃもじゃした線画が表示されるというものだ。
この線画をリサジューとよぶ。
専用機はモノラルの時に縦一本の直線になるように表示部分を傾けてある。古いものはブラウン管だったが、今は液晶が多いのかな?

さて、このリサジュー・・確かに位相のチェックや定位の観察に応用している。
が、あくまで左右の信号のベクトル合成したものを見ているに過ぎない。その証拠にモノラル完全逆相の時には定位と関係ない表示になるし(そもそも定位したと言えるかどうか・・)、生音でもしばしその状態が観察される。
まぁ、だからマイクアレンジを直せ!と言う話になったりするんだけど・・

厳密な意味での定位を測定している訳ではない・・

さて、世の中サラウンド流行り・・
特にハリウッド製のスペクタクル物は音が飛び回ること飛び回ること・・

でも・・非常に苛つく音なのよね・・

サラウンドにするために相当位相をいじらなくてはいけないらしく、特に飛び道具物はその傾向が強い・・

結果・・実際の音に比べ位相が狂ったじゅるじゅるした音になる・・
確かに新幹線の音でもジェット機の音でも位相がずれた音の成分は確かにある。
が、それ以上に正しく音源自体が動いていることで出来た音である。

新幹線に至っては数百メートルにわたる音源群の作り出す音であり、決してモノラル録音した音を位相をいじって定位をいじって造った・・などと言う音では再現できない。

まぁ再現しても錯覚だ・・というパラドックスは置いといて・・^^;;

次に我々音屋にとって一番の常識、オンマイク収音についても、以前に書いた気はするのだがもう一度記しておこう。

通常、生楽器は数十センチから数メートルの筐体サイズがあり、ほとんどその全部から音がでている。これを我々は二十センチ程度の左右の耳の間隔と全身の振動センサーなども総合して音として聞いている。従ってエネルギー伝達系として考えた場合、相当に複雑な系であることは理解してもらえると思う。これに距離の関数も加わるし収音場所の音場の問題も加わる。

いや、だったらそんなもん積分してしまえば・・とか言わないように・・単純にエネルギー総量を測定すれば済むものではない・・なぜならそれを受け取る人間の側が結構それぞれを分析しつつ、かつ総合的にも受け取っているから・・

と言うような複雑な音源を、たかだか1次元のピストンモーションしかしないマイクロホン・・という入力機器で果たして正確に拾っていると言えるのだろうか?
いや、確かにカプセル径とか指向角とかは色々だが、カプセル自体の振動方向はあくまで一次元である。

さらに、現実の耳ではあり得ない近距離で収オンしているのがオンマイク収音。
これは一つ一つのマイクの信号はとてもその楽器の代表的な普通に耳にしている音になぞなる訳が無い・・それでも普通にマイクを立て、なんのEQもしなくてもスピーカーから出してみると意外に納得する音であったりする・・これはFBSR会の以前の研修テーマNonEQミキシングでも確認済み。
なぜか?

ここにも人間の素晴らしい錯覚の機能が良い方向に働いている。
スピーカーから出た多分元はキツイであろう楽音が空間に放出されてから生の楽音とミックスされ、且つ空間を経て自然残響が加わることで元の楽器のイメージと遜色ない物と感じられるためだ。
逆にこれがあるからこそマイク段階で空間の音まで拾ってしまうとぼけてしまう!
と言う考え方も出来る。

ここら辺が録音とPAとの分水嶺なんだろうねぇ・・

さて、斯様に錯覚の影響が大きいとすると、そもそも音楽自体が大いなる錯覚のなせる技・・とも言えるよね?
ということは、物理的に生音、あるいは原音志向を目指すより、その場のミュージシャンにその場のリスナーが抱いているイメージ・・に忠実であることの方が遥かに重要だと思う。
ここで忠実であることを否定はしていないが、幻想としての原音を追求するより、同じ幻想ならそのイベントの一番の目玉であるステージ上の出演者にリスナーが抱いている幻想!に忠実である方がよりそのイベントの印象は素晴らしいものになることは間違いなさそうである。

例えば名前を出して恐縮だが、かのクラプトン氏のライブで、フィンガーボードの出すわずかな雑音(そんなものはほとんど出さないプレーヤーだが・・)が、リアルに聞こえるライブと、醸し出すメロディが美しく響くライブと、どちらが良い印象を持つかは言うまでも無いだろう・・

と言うことを総合的に考え合わせると、ライブPAのエンジニアの素養はもちろん電気的な知識とか音楽的な知識もさることながら、意外や心理学、あるいは大脳生理学、の知識が役立つことが多そうだ・・

カクテルパーティ効果など音響学的に語られてはいるが、実は脳の錯覚のなせる、あるいは脳だからこその効果を結構現場では求められているしね・・
ステレオイメージの問題も、ハース効果の問題も結局は脳の問題。

さて、諸兄は如何お感じになられますか?
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音響総論 / 2007/12/04 09:45
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