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一級舞台機構調整技能士(音響機構調整)の管理人(新田康久)が舞台音響技術やその周辺の話題を取り上げます。
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舞台音響・PA・SRとライブでの周辺技術

一級舞台機構調整技能士でもある管理人が、舞台音響(PA,SR,Recording)などに関わる話題と技法に迫ってみたりする。

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 昔(1970年ごろ)のオーディオマニアには常識だったかも知れない理論が、自作ブームの終焉と共に曖昧模糊になった一つがこのスピーカーのインピーダンスに関する知識。

 現代アンプは数奇者の真空管アンプを除くと多段コンプリメンタリーのウルトラ低インピーダンスアンプが一般化して、下手すると1Ω負荷なんて言うものを許容する時代になりつつある。

 これは何でこういう要求があるかと言うと、典型的にスピーカーをパラレル動作して、少ないアンプで大量のスピーカーを鳴らしたい!ということなんだな・・

 8Ωのスピーカーが2本パラで4Ωに、4本パラで2Ωに・・8本パラだと1Ωに成ってしまうのだが、普通のアンプは4オーム未満ではあまりに負荷抵抗が少なくて保護回路が働いてしまう。

 で、ちょっと前までのアンプは内部インピーダンスもそこそこだったので、4~16Ωと言うのが適正負荷範囲だったのね・・

 この時代、なんとかたくさんのスピーカーを鳴らしたい・・と言うときに直並列接続とか並直列接続と言うやり方がよく使われた・・厳密な言い方と言えるかどうかはメンゴ!

 具体的には、アンプ側からの負荷インピーダンスが8Ωとなる様に8Ωのスピーカーをまず直列にしてから、その組合せを並列にする・・と言う接続方法・・これを勝手に直並列接続・・と言うことにしよう。
 8Ωが2本直列で16Ωに成る。これを二組並列にすることで8オームになると言う接続法だな・・

 今一つのやり方は、8Ωスピーカーを2本並列にする。これを二組直列にするというもの。これを勝手に並直列接続と言うことにする。まぁ8Ωが2本パラで4Ω。これが二組直列になるため結局8Ωに収まるよ・・と言う話である。

 結果、アンプ側から見た負荷インピーダンスは8Ωのままなので、アンプの動作上は問題はない・・

 実際、自作オーディオ盛んなりし頃はフォステクスやらコーラルやらの小型スピーカーをこのやり方で4本とかを一つのボックスに収めた製作記事が膨大に載っていたものだ・・

 さて、この接続法・・アンプ側から見た場合一本で鳴らしたときとあまり違いは無い(全く無いとは言えない)のだけれど、末端の一本のスピーカーからアンプ側を見たとき、大きな違いが生じてしまっているのに気がつくでしょうか?

 スピーカーからアンプを見た場合、限りなくゼロに近い方が音質が締まり良くなります。

 知っている人は疾うに知っている話ですが、スピーカーがボイスコイルによって動作している限り、入力に伴ってコイルが動き出した途端、逆起電力を生じます。この逆起電力の方向は入力電力と逆方向なので、動こうとするスピーカーを止めようとする動きです。これが充分に流れるかどうかはこの逆起電力から見た負荷側・・つまりアンプ側が充分に抵抗値が少ない必要があります。でないと逆起電力によって生じる電流は微弱となり、一旦動いたコーン紙(ダイヤフラムでも)の惰性振動が収まりにくくなるわけです。ちょっち分かりにくいかな・・
 車やバイクのサスペンションに興味のある人ならすぐ分かると思うのですが、様はダンパー抜けしたサスの車のようになってしまうと言うことですね・・
 まぁ、簡単に言うと、スピーカー単体から見たアンプ側は限りなく低インピーダンスの方が、ダンピングの利いた(つまり締まりの良い)音になると言うことです。故に、アンプのインピーダンスと、スピーカーのインピーダンスの比率は10以上を理想とされています。アンプ側が当然小さい・・
 んで、現代の多段コンプリメンタリーアンプは100以上なんてのがざらなわけです。

 ここまでがスピーカーとアンプが1対1の直結の場合。

 で、話を戻します。

 直並列とか並直列・・

 直並列の場合

 ┌───┬──┐
 A   SP  SP
 M   │  │
 P   SP  SP
 └───┴──┘

 並直列の場合

 ┌───┬─┐
 A   SP SP
 M   └┬┘
     ┌┴┐
 P   SP SP
 └───┴─┘

 で、まぁ普通の結線図(例によって多分等幅フォントなら見えると思う・・

 これをスピーカーから見直すと(下図では左端に記載したスピーカーね)

直並列の場合

 ┌───SP┬─┐
 │    SP A
 SP    │ M
 │    SP P
 └────┴─┘

アンプは殆どゼロと見なせるとして
簡略化すると

 ┌───SP─┐
 │     A
 SP     M
 │     P
 └─────┘

 アンプがもっともインピーダンスが低いので、パラになるスピーカー部分は、もっとインピーダンスが下がる要因としてネグレクトして記入しました。
 この図から判断して、アンプ部分が殆どショートであっても上部のSPのインピーダンス、8Ωが厳然と残っていることが分かります。よって、一発のスピーカーから見たダンピングファクターは1以下となります。8/8だもんね。

 では、並直列では?

 ┌───┬─┬─┐
 │   │ SP SP
 SP   SP └┬┘
 │   │  AMP
 └───┴──┘

これを例によってアンプは殆どショートと見なし簡略化して

 ┌───┬──┐
 │   │ ┌┴┐
 SP   SP SP SP
 │   │ └┬┘
 └───┴──┘

右端のスピーカーペアは4Ω、よって左端のスピーカーから見たアンプ側インピーダンスは、4Ωのスピーカーと8Ωのスピーカーが並列接続されたときと同じインピーダンス。この場合合成インピーダンスは1/((1/8)+(1/4))=8/3=2.6Ω。よってダンプングファクターは約3・・
※ 計算式に括りのカッコが抜けていたのであとから追記・・なんてこったい!

 ダンピングファクターが高いほど締まりの良い音になると言う観点からどちらがより適切な接続になるかは一目瞭然!

 如何でしょうか?

 よんどころない事情で少ないアンプで多くのスピーカーを鳴らす必要があるときの参考にしていただければ幸い。

 なお、スピーカーケーブルが低抵抗で距離が短ければ短いほど理想である理由も、ダンピングファクターと大いに関係がある。なぜなら8Ωと言うスピーカーのインピーダンスとアンプの内部インピーダンスに較べスピーカーケーブルのインピーダンスが結構大きく影響するためである。ここ結果行き着いたのがパワードスピーカー・・これなら設計者の意図通りの動作をする・・と言うわけだ・・

 余談であるが、カーオーディオ用のスピーカーのインピーダンスは4オームが多い・・これはアンプの動作電圧がバッテリにより規制され低いため、出力を見かけ上確保するために採用された・・と言う経緯がある。よって、よりケーブルに対する要求は厳しくなる。

 余談その2
 パワードは関係ないが、先に記したスピーカーの逆起電力。ショート状態が一番利いてくる・・これを利用して運搬時のコーン紙の振動抑制のためスピーカー端子をショートしておくとスピーカーの破損が防止できる。
 もちろんパワードでは意味がないし、ネットワークの設計次第では効果のないこともあるけど・・
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基礎理論? / 2010/07/10 11:00
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