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サウンドアンドステージブログへようこそ
一級舞台機構調整技能士(音響機構調整)の管理人(新田康久)が舞台音響技術やその周辺の話題を取り上げます。
管理人の性格上しばしば脱線するかも知れませんが・・
なお、つっこみ、茶々大歓迎ですよ・・
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舞台音響・PA・SRとライブでの周辺技術

一級舞台機構調整技能士でもある管理人が、舞台音響(PA,SR,Recording)などに関わる話題と技法に迫ってみたりする。

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最終的な音の鮮度を維持する上でかぶりの問題はいつもオペレータを悩ませる。
単純なマルチ素材を再生するのと違い、ライブ空間では常に複数の楽器音が錯綜している状態だからねぇ・・

まぁマルチ素材でも各楽器の帯域をぶつけるようなアレンジングと、ミキシングをするともちろん音はどんどん濁ってくる。
まぁ、この場合はアレンジを替えるか、定位、イコライジング、主従を見極めてのミキシングで回避していくのだけど、ライブ空間ではこれにかぶりの問題が加わるのだな・・。

かぶりとはなんぞや?っと言われると単純には目的とする楽器以外の音がそのマイクに入ること・・である。
つまり、他の楽器音が目的の楽器音にかぶる・・という使い方。

特にタムなどでは顕著。これは楽器同士が近接していることによる。
またピアノなどの弱音楽器(クラシックの世界では強大な音のはずなのだけれど・・)にドラムなどの音がよくかぶってくる・・

で、何が問題なの?と言う方に・・

まず、マルチ録音では、目的外の音が入っているとある楽器のベストテイクが録れた!・・が他の楽器がミスった・・と言うときに他の楽器だけを取り直しても、ベストの楽器にミステイクの音がわずかながら残ってしまう・・^^;;・・という非常にべたなパターン。
これは非常に細かくテイクを切り貼りするマルチ録音では特に重要。

ライブならまさかやり直しは無いんじゃないの?と言う方・・確かにその通り。
が、ある楽器1に楽器2の音がかぶっていたとしよう。
楽器2を上げ下げしているだけならあまり気が付かないが、楽器1を上げ下げしているときに、かぶりのため楽器に2の音量や音質まで変化してしまう・・と言う事態が発生する。
普通、楽器1に楽器2がかぶるわけだから楽器1がより弱音楽器と考えられる。
で、楽器1のマイクのゲインが上がるわけだ・・ごれで楽器2のかぶる率が上がる。

で、楽器2は音量がでかい楽器なのでたいした問題はないと高をくくっていると楽器1のフェーダーの上げ下げで妙に楽器2の音質が変ったり、音量自体が変化してしまうのね・・
顕著な場合は楽器1のマイクとしてはぜんぜんハウらないのに、楽器2の演奏でハウる・・と言うこともおきる・・
ドラムを叩くと妙にハウるので、ドラムのフェーダーをいじった・・でも全然止らない・・焦って調べてピアノのフェーダーをいじったら直った・・などと言うパターンだ・・

故にかぶりの問題はいつもオペレータ泣かせになる。
もちろん、出音自体の品位を大きく下げかねない・・

さて、このかぶりと言うものの性質をもう少し掘り下げる。

かぶりは本体の主目的の楽器ではない楽器音がマイクにはいること!・・である。
ということは主目的の楽器よりかぶりの元楽器は通常は離れている。
離れていると言うことは空間損失で高域成分が若干なりとも減少している。
また、時間遅れを伴っている。(距離が離れているから当然か・・)
楽器に対して収音マイクが正対していないので(まぁ、かぶりの楽器にマイクを向けているわけが無い!)、正面特性と違ういびつな特性に成りやすい・・よって、音色がおかしい・・と言う状況が発生する。

さて、こういうかぶりの音がそのかぶった元楽器のマイクとミックスされるとどうなるか・・

まぁ分かりやすくドラムの音がピアノにかぶっているとして、ピアノのマイクで収オンされてしまったドラムの音と、本来のドラムの音がミックスされる・・と言うような状況と考えて欲しい。(もちろん他にもいくつも例はあるが・・)

ピアノのマイクにかぶったドラムの音は本来のドラムマイクよりその距離分遅れている。これは位相時間差特性を大幅にずらしたミックスになり、コームフィルターを生じさせる。よってじゅるじゅるしたフェイジングっぽい音を生じさせる。
また、マイクが正対していないので、そのサイド特性によって音色が変化し、かつピアノの筐体の共振モードに影響された不自然なイコライジングをされた音としてミックスされるため、ドラム自体の音色を変化させる。

その結果として、ピアノのフェーダーを上げ下げするとドラムの音量や音色も変化する・・

そして出音が全体にすっきりしないものとなる。

この状態の時に本線系のEQなんかいじったらドツボにはまるよねぇ・・

さて、このかぶりをどうしてけつかろうか!

ここで師匠直伝のノウハウを一つ・・

Soloスイッチを使い、かぶりの音だけを聞いてしまう・・と言うチェック法がある。

例えば前出の例ではピアノを弾いていないときにドラムの音がどれくらいピアノのマイクにかぶってくるかをSoloチェックする。
まぁSoloがPostEQでなければちょっと困るんだけど、この状態でかぶりが最小になるようにEQで調整する。
取りあえずピアノに極端な悪影響がない程度にね・・
師匠いわく、EQなんてのはその楽器に適正なマイクをアレンジしてあればかぶり取りにこそ役立つものだ!とのこと・・ぜひお試しあれ・・

さて、EQを調整しても時間差の問題は残っている・・

これは以前に管理人が記述したディレイを駆使した方法を用いるとかなり解消できる。

つまり、ピアノにかぶっているドラムの音が遅れているなら、ドラム自体の音をディレイを掛けて合わせ込む・・と言う奴だ・・

これでドラムとピアノマイクでのドラムかぶりが時間差がなくなるので位相ズレの問題は解消できる・・

残るのは音量の変化だけだな・・

これはマイクアレンジ自体を工夫する・・オフマイク特性の良いマイクを使う・・などで対処する事になるのかな・・完全には難しいと思うので、オペレートで工夫するしかないね・・まぁこれこそが我々の仕事なんだけど・・

さて、かぶりは本質的には望むと望まざるとに関わらず、複数の楽器音がマイクに入ってしまうことの問題だといえるよね・・
なら対極としてはワンポイントでの拡声(収音)・・というものもある。

かぶりが問題になるのはマルチ収音で、目的の楽器だけがそのマイクにはいっているはずだ、っと言う大いなる幻想ゆえに発生するものだとするなら・・ワンポイント収音ないしは拡声は、だったら全部をかぶりで録ってしまえ!というものと言える・・^^;;

まぁ・・どの楽器とも平等に離れているよ・・という収音方法で、だから位相の問題も時間ズレの問題も関係ないでしょ!・・と言うわけだ。
最初から特定の楽器の音量を操作しようという意図も無いわけなんで・・

拡声ではあまりピンと来ないかも知れないけれど、芝居径のオペレータならPCCなどで日常的に経験している手法。さすがにバンド系ではあり得ないかも知れないけどね・・
んで、クラシック系、民族音楽系ではこれまたよく使用される。

経験がないと、「え~それでハウらないの?」と思われるだろうが、結構ゲインは稼げるのよ・・もちろんスピーカーの設置、マイクの設置には気を使うけれどね・・
少なくとも会場の後までせりふを通そう・・とか、ソロ楽器を最後列のリスナーも楽しめるようにしよう・・くらいは結構いける。また、そういう使い方を目指すべきだと思うしね・・がんがんオンで・・というのはこの場合はやらないからさ・・

かぶり一つでももっともっと考えることはあると思うけど・・概して経験の深いオペレータはここの処理がうまいし速い。
これの処理がうまいとあとは音量バランスをとるだけで結構聞ける音になるからね・・あとは音楽に合わせEQやリバーブを調整するだけだし・・
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セッティング / 2007/05/03 09:50
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